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2000.06.14

DAC2000(June/5-9,2000)展示

 STOCは、第37回DAC(Design Automation Conference, June5-9, Los Angeles Convention Center)において、 6/5,6,7の3日間にわたり、ブース展示とスイート展示を行い、SpecC言語の普及を目的とするコンソーシアム活動を行いました。

1. DACとは

 DACは、EDA分野では最大の国際会議であり、学会、製品展示会、各ベンダのスイート展示が併設して開催され、業界にとっては新製品・技術の宣伝の場だけでなく、ベンダ同士の提携、技術交換、マスコミへの発表等のビジネスを行う場ともなっています。

 


LAコンベンションセンタ

2. STOC関連展示 

 DACでは、大展示場にベンダ各社が展示ブースを構え製品・技術説明を行う「ブース展示」と、別室にて個別に詳細な技術説明を行う「スイート展示」があります。STOCはその両方の展示を行いました。ブース展示では、SpecC言語の生みの親である UCI の Gajski 教授と関連の深い YXI (Y Explorations Inc.) 社のブースの一部を借りて、STOC活動の概要、SpecC言語の紹介、SpecC によるSOC設計フローの変革について説明および紹介を行いました。スイート展示では、ブース来訪者の中でスイートへの参加希望者の方を対象に、Mentor Graphics 社のスイートを一部お借りして、STOCの紹介とSpecC言語の仕様に関する詳細な説明を行いました。スイート展示への参加希望者は3日間で40名、そのうち約半分の方が実際に参加くださいました。

3. 展示詳細

3.1. ブース展示
 ブース展示では、4帖ぐらいのスペースに柱をたて、パネル展示と現地で調達した説明員による STOCの説明とスイート展示の紹介を行いました。3日間で100人以上の方にブースへ来場いただき、来場者には STOC 紹介パンフレットと STOCマウスパッドを進呈しました。

 会場を見渡すとツール展示が多く、このツールを導入すれば、全体でどれだけコストが削減できる、あるいは競争力のある製品が作れるという視点から見ている人が多いためか、『ツールではなくて言語です。さらにコンソーシアムの活動を紹介しています。』というと少し引いてしまわれるご様子でした。それでも、抽象度の高いシステムレベルで設計して、それをHW/SWなりの詳細仕様へと仕上げていく設計手法が必要になるという点は、皆様納得されて、『SpecC言語はそのための言語であって、業界全体の利益になるから、コンソーシアムという活動で言語の標準化と利用促進を図っている。』という説明を展開し、広くSpecC言語の普及活動を行いました。

 SpecC言語自体の一般的な認知度はまだ高いとは言えませんが、最近出版されたSpecCの本 (Gajski, Zhu, Doemer, Gerstlauer and Zhao. "SpecC". Kluwer Academic Publishers) を販売する同会場内の出版社ブースでは、出版社が用意した100冊の本が2日で売り切れるという超人気ぶりで、言語と設計方法論への関心の高さがうかがえました。

 展示に対する一番多い質問は、『SystemC と SpecC との違い』についてでした。これに対しては、SystemC と SpecC は競合するものではなく、SpecC で仕様を記述しこれを改良して詳細化し、その結果を HW/SW のターゲットに合わせて SystemC なり HDL なり C/C++ 言語なりへ変換して下位のエンジニアリングツールへと受け渡すので、SystemC と SpecC は互いに相補的な位置付けにあるという旨の説明をすると、なるほどと納得していただけました。次に多かったのは『ツールはあるのか?』という質問でした。これに関しては現時点ではメンバ企業のいくつかで仕様入力ツールを開発中であるという説明しかできず、もう少し切れの良いパンチが欲しいところでした。

ブース展示全景

現地説明員

展示会場

パネル  パネルをご利用になりたい方はこちらまで

3.2. スイート展示
 スイート展示では、時間が限られていたので多くの質問にお答えすることはできませんでしたが、最新情報を収集しようという意気込みの参加者が多かったようです。

・スイートでの発表資料 (stoc_dac00_presen.pdf 779K)


スイート展示の様子

4. 感想

 システムレベルの記述言語への関心は高く、学会のパネルセッションでも現在の HDL よりも抽象度の高い言語が必要だと考えている参加者が多かったようです。現在は、特別なライブラリを用意してハードウェアとソフトウェアの両方を設計できる仕組みにした SystemC や Cynlib (CynApps社) が注目されているようです。しかし、特定の会社により言語仕様がコントロールされてしまうのではないかという懸念がベンダ間にあり、STOC のようにオープンな技術コンソーシアムの意義が再確認できました。また、SpecC は単にC言語を拡張しただけではなく、システム全体から構造部品までを統一的に記述することができます。また、IP または設計データベースの構築などにより設計の再利用も容易に実現できる事が大きな違いとなります。中長期的には SpecC の考え方に沿った設計言語ツールが、どんどん出てくると思います。

 今年の DAC では、技術的に優れていると言う事と、ビジネスとして成功するというのは全く別の話であるということを実感しました。本コンソーシアムは SpecC言語の普及活動をすることに意義があります。設計方法論に基づいたツールを作成して実績を伸ばし、協力ベンダを増やすことによってはずみを得て、「今年は SpecC の年だった」という DAC総括に是非したいと思います。

5. 雑感

 今年のDACはL.Aのダウンタウンに近いコンベンションセンタというスリリングな会場設定でした。一部ベンダは夜間外出禁止令が引かれたそうですが、STOC関係者は細心の注意をはらい、無事事故もなく DAC をおえることができました。めでたし、めでたし。。。

LAダウンタウン
 
 ブース展示では景品で参加者を集めるベンダが多く、すぐ隣のブースではバレーボールを投げて渡していて、大勢の人を集めていましたが、どうやらそこは近々株式公開するらしく、会社の認知度を上げる手段としても利用しているようでした。なかには、見た目の派手さはありませんが内容の濃い充実した技術情報を展示するベンダも多く、しっかりと参加者を確保しておりました。
2000/6/14, M.I.

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